須田 稔の平成落首① 【投稿】
教育基本法「改正」に異議を申し立てる短歌もどき
・・・「キョウ」の漢字24字を用いて
憲法9条メッセージ・プロジェクト事務局長
立命館大学名誉教授 須田 稔
教育は共育である 「美しい人と人との力」の交響
教育が競争となるとき 調教で子らはレースの馬に貶められ
戦争を良しと煽る情況で 教育行政は怯懦で恭順
教基法も憲法も変えよとアメリカ帝王の 脅迫に恐懼する政府の狂態
国際貢献とはアメリカへの供奉と心得る 偏狭政治のモラル地に落ち
いにしえの経典と教育基本法に逆らって 友愛の架橋を壊すやからよ
アメリカの専制と圧迫に異を唱う 度胸もなくて協力という隷従
戦争は凶暴にして狂気なり 人たる矜持は教育が育む
教育の理念を棄てて行き着くは 脅育ばかりの東京都教委
子供らの叫哭を聴け 教育委員会よ 上意下達は強制と知れ
真実と公正と平和こ学ぶこそ 人権の享受 今日の課題ぞ
(注。「美しい人と人との力」は故茨木のり子さんの詩「六月から)
2006.7.24
須田 稔の平成落首② 【投稿】
アベ・シンゾウなる男が詠める軍国歌謡
アメリカ帝国との軍事同盟 世界にトベ
ヨベ 自衛隊を日本軍と 防衛費を戦費とヨベ
先制戦争も 核攻撃も ヤベーが 断行も辞さず
これぞ 「美しい国」日本の指導者アベなのだ
憲法のカベ ぶっこわせ 9条のカビ 消しちまえ
☆
アバよ 占領時代の残りかす 平和憲法
敗戦国の 「いじましい」「ワビ証文」憲法前文
サバサバしよう アメリカの長年の要求を全面受諾
時代に合わぬ 60年でカビ生えた 憲法第九条
憲法のカベ ぶっこわせ 9条のカビ 消しちまえ
☆
家族を愛し守りたいなら 国家を守れ
国家のためにいのちを棄てる 無上の美しさ
福祉・医療・教育費をと 喚くカバやロバは非国民だ
戦争が平和をつくるのだ 平和は戦争なしではまもれない
憲法のカベ ぶっこわせ 9条のカビ 消しちまえ
☆
亡国の道とヨブならヨベ アビ叫喚と流血は覚悟の上
国家の利益は国民の幸せよりも大事
国家とは 万世一系の天皇を象徴とする自民党政府
朕ではなくて 総理大臣アベが国家なんである
憲法のカベ ぶっこわせ 9条のカビ 消しちまえ
☆
国民の返歌
ヤブのブッシュの親友小泉の一の子分アベ 寄らば大樹の陰
こんなベラボウ野郎が総理とは 日本人の名がすたる
シンゾウに棘が生えている 知性も感性もサビた小賢しい男よ
アバよ A級戦犯の亡霊よ 人類の叡智に背を向ける暗愚よ
2006.8.27 須田 稔
須田 稔の平成落首③ 【投稿】
靖国神社とわたし
靖国の英霊になれと調教され 出征を嘆く母を謗(そし)りぬ
『海ゆかば』『君が代』『教育勅語』に飼育され 靖国に祀られたしと わが少年の日
生きる意味は「忠君愛国」のほかになし いのち 尊厳 平和を識らず
戦争を指導した者 命令された者 責任の軽重 なかるべからず
見も知らぬ他国の人を蔑(さげす)んで 殺(あや)める心を燃やしたり われ
愚かにも 敵意植えつけられたわたしにも 償う責任 厳然とある
靖国を戦争神社と知りてなお 拝めば 国の安らぎはなし
☆
ヤスラカナ 暮ラシヲ ネガウノニ
スサンダ心デ 戦争ヲシカケ
クニヲ護レ クニヲ愛セヨト命ジ
ニンゲンヲ知性・感性・想像力ノナイ殺人鬼ニ変エタ神社
大和男児ノ生きる道は 天皇陛下のために戦死すること
すめらみくには 世界に冠たる美しい国
苦海を浄土にするのだと 進軍ラッパと軍艦マーチで侵攻を誇り
憎しみと暴力を鼓吹した 恥を恥とも意識できぬ者たちの砦(とりで)
ヤサシク「アア ヒロシマ」ト イタワレルニハ
スナオニ 加害ノ罪を ワビテ ツグナウコト
クニヲ愛セルノハ 美シイ自然ノ恵ミト 和解ニ汗スル同胞ガ在ルカラ
ニンゲンノ尊厳ハ 戦争放棄 戦力不保持ニアル
野蛮で愚かないくさに いのち消されたる人たちを 哀悼しよう
すがすがしくなれるなれるのは 政府に戦争の惨禍を起こさせないぞの誓い
苦難をいとわず「にんげんのよのあるかぎり くずれぬへいわ」を築く努力
人間は 愚かにもなれるが 「美しい人と人との力」も創れる信念
☆
岡野弘彦の短歌・・・『歌集 バクダッド燃ゆ』より
日本の 黄砂ににごる空のはて むごき戦(いくさ)を人はたたかふ
東京を焼きほろぼしし戦火はいま イスラムの民にふたたび迫る
ひらひらと手をふりて笑ふ大統領。そのひと振りに 人多く死す
かくばかり世は衰へて ひとりだに 謀反人なき 国を危ぶむ
☆
ワンフレーズしかいえぬ首相の術に酔い 暮らしの危うさに怒り忘れるか
2006.8.20 須田 稔
須田 稔の平成落首④ 【投稿】
愛する人を祀るのに
神社やお寺は選べない ?
自衛官が公務中に 交通事故で死亡しました
妻はクリスチャンです はっきりと拒んだのですが
自衛隊と隊友会は 護国神社に合祀しました
それで 信教の自由が侵害されたと 裁判所に訴えました
「護国神社は宗教ではない」「遺族の宗教は関係ない」
「公務死した つまり殉職した 個人は国家のもの」
「神にしてもらうのだから 感謝すべきだろ」
「合祀は現職自衛官の士気を高めるのだ」
「いったん神として祀れば 取り消しはできない」
自衛隊と隊友会は こう反論するのでした
戦前の靖国思想は戦後も自衛隊に受け継がれているのです
1972年から34年間 彼女は合祀取り消しを求めています
地裁と高裁で勝訴したのですが 最高裁で逆転敗訴したのです
愛する夫の死を どこで どのように追悼するか
それは妻の だれよりも妻の 願いと意思できめること
他人に 隊友や上官や防衛庁に 勝手にきめられては困ります
遺族が同意していないのに 合祀をやめてと言い続けるのに
耳をかさない神社とは 信教の自由を認めないのですから
基本的人権を侵害し そもそも 個人の尊厳を蹂躙しています
大日本帝国のため 畏れ多くも天皇陛下のため
戦場でいのちを投げ出せば 英霊として祀られる栄誉がある
そう教えて 靖国神社は 国民を戦争に動員する精神的装置でした
かわいそうにと嘆いても 褒めてほしいとは つゆ思わない
そういう遺族も少なくないのです 国家に無理矢理殺された と くやしいのです
殖民地にされ 母語まで奪われ 皇国の臣民だからと
日本の戦争に動員され あげく戦死した 朝鮮や台湾の男たちも
英霊として顕彰される祭神です 遺族の意思など無視するのです
戦死した事の意味を 国家が勝手に決めてかかってよいのですか
遺族が承知もしないのに 合祀する そんな国家はまともですか
国家が戦死者を 慰霊したり 追悼したり 顕彰するのは 当然なのですか
日本国憲法第19条や20条は 思想・良心の自由と信教の自由を保障しています
護国神社や靖国神社は 憲法違反なのですね 前文に照らしても違憲なのですね
外国の領土に軍隊を進め 殺戮 破壊 略奪など 暴虐をはたらいたのに
聖戦だと教え込まれて 庶民は 加害者になり 被害者になり
しかし それは 忠君愛国 尽忠報国の殉死 名誉の死だと讃えられると
悲嘆も無念も癒されるのですね 人のこころは 催眠術に弱いのですね
知性も良心もないままの言動を 勇気とか英断だとか錯覚するのですね
いのちの尊さも忘れて 戦争する国に再びしようという企みに不感症になるのですね
2006.9.1 須田 稔
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